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ブルームバーグ解雇争議

この争議は米国の新興経済通信社 ブルームバーグ(通称、BB)が米国流の解雇を日本で実現させるために、能力不足を「偽装」して社員を退職に追い込んだ争議です。

過酷なノルマで社員を締め上げ、挙句の果てに突然ロックアウトするという手法は荒っぽく、能力不足という濡れ衣を着せて会社を追い出そうとする態度は道義的にも許せません。しかも判決を経ても過ちを認めず、主義主張を貫こうとして勝訴当該の原職復帰を拒み続ける非常に悪質な争議です。

1:PIPとロックアウト型退職勧奨

始まりはリーマンショック(2008年)後の2009年。BBは突然、これまでなかったノルマ制を編集部門に採用すると宣言しました。

その直後、多くの記者に「ノルマの進捗が芳しくない」として「特別な課題(PIP)をやってもらう」と強要。その約3~4カ月後に突然、面談に呼び出し「全ての課題を完璧にクリアできなかった」と難癖をつけてその日のうちに会社を去るよう命じ、同時に退職勧奨したのです。

2:一次裁判

当該は勧奨を拒否し、新聞労連の個人加盟労組に加入して団交で復職を要求するも果たせず、逆にBBは当該を強引に解雇しました。当該は東京地裁に地位確認の訴訟を提起し、BBは能力不足を主張して対抗しましたが、一審・二審とも当該が勝訴し、BBは上告しませんでした。

3:復職させずに二度目の解雇

組合は一次裁判の第一審勝訴と同時に裁判と並行して団交を行い復職を要求しました。ところがBBは当該の「能力不足の認識は変わらない。原職復帰は120%有り得ない」と強調。「能力がないのだから」という理由で給料半減となる倉庫番での復職案を提示しました。

組合側が「それでは協議に応じられない」と返答すると、BBは「それは配転拒否と同じなので解雇する」という理屈で二度目の解雇を強行したのです。控訴審の判決が下る前にです。最初の解雇を撤回せず復職させていないので配転命令は出せないのに、同じ解釈ができるという何とも強引な発想です。

4:BB側が請求異議の二次裁判を起こす

再解雇はしましたが、一次裁判の「解雇無効」の判決効力は生きています。BBは当該への給与支払いを再開しなければなりません。それを阻止するためにBBは当該を相手取って東京地裁に「請求異議」の訴えを起こしました。同時にBBは既に当該を再解雇しているので、「雇用契約は不存在である」ことを認めるよう裁判所に求めました。

5:復職提案に難色を示したのは解雇に相当するか?

二次裁判では「一事不再理」、「専門職での採用は配転できない」、「給料半減は不利益変更」などの問題も争いましたが、裁判所はこうした問題に踏み込むまでもなく、解雇は無効なので請求異議も認めないと判断しました。

 

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